時の記念日は毎年6月10日
時の記念日(ときのきねんび)は、日本の記念日の1つです。
1920年(大正9年)に東京天文台(現在の国立天文台)と文部省の外郭団体「生活改善同盟会」によって制定されました。
時の記念日とは
生活改善同盟会が配布した当時の「ビラの内容」を抜粋しますと
出勤、及び退出の時間を励行する事。
勤務と休養の時を区別し、時間を空費せぬ事。
取引約束の期日を違えぬ事。
◆集会の時間
集会の時日は、多数者の都合を考えて定める事。
開会の時刻は掛値をせぬ事。
集会の時刻に遅れぬ事。
◆訪問の時間
先方の迷惑する時間の訪問は慎む事。
訪問は予め時間を打合せる事。
簡単な用談は玄関店頭で済ます事。
面会は用談を先きにして早く切り上げる事。
来客は待たせぬ事。
当たり前の事を言っているように見えます。今でこそ「時間を守る日本人」というイメージは世界的にも定着していますが、当時の日本人はよく言えばおおらかだったのでしょうね。だからこそ「時の記念日」が制定された訳なんでしょうが。
日本国民に「時間をきちんと守り、欧米並みに生活の改善・合理化を図ろう」と呼びかけ、時間の大切さを尊重する意識を広めるために設けられました。記念日ではありますが、法定された国民の祝日ではないのはご存じの通りです。
特に東経135度の子午線上にある明石市の「時のウィーク」や、天智天皇をまつる大津市の近江神宮の漏刻祭はよく知られています。
定刻厳守の尊重が国民性といわれるまでになり、鉄道や航空機の定時運行が世界一といわれるまでになったのも、時の記念日の創設にその原点のひとつがあるともいえます。
時の記念日 由来
日本初の時計が鐘を打った日が「日本書記」に記載があります。天智天皇10年4月25日(グレゴリオ暦換算=現在の太陽暦671年6月10日)の項に、”漏刻を新しき台に置く。始めて候時を打つ。鐘鼓を動す。”とあり、その漏刻で「時の奏」(太鼓や鐘を打って時を知らせる)を行ったことからこの日となりました。なお、「漏尅(ろうこく)」すなわち「漏刻」とは水時計のことです。
水時計は日時計より正確な時刻を測ることができるとされ、紀元前16世紀にはすでにエジプトで使用されていたという記録も残っているそうです。
まとめ
「時間を守る」というスローガンとともに始まった時の記念日ですが、
現在では、「過ぎ去る時間の重要さを改めて考える日」という意味合いが強くなってきています。
今年の時の記念日には、大切な人と一緒に過ごし考えてみてはいかがでしょうか?